夕焼小焼

投稿者:時空の旅人 - 2002/02/11 02:00

もし、あなたが、その破れた衣を着たみすぼらしい貧乏坊主を見たら、笑うかもしれない。
しかし、歴史は、そのボロを着た彼を偉大な僧侶のひとりとして記録しています。

彼は、20才の頃、仏教を猛勉強したにもかかわらず、悟(さと)りが開(ひら)けないため、自殺しようとしました。
しかし、失敗しました。 そして、母に『悟りが開けるまで、一生かけても修行しなさい。』と言われました。

彼が26才の時、夜明けの琵琶湖の舟の中にいました。
カラスの鳴く声で、彼は気づき、悟りを開くことになりました。 そして、この歌をよみました。

 『有漏路(うろじ)より無漏路(むろじ)へ帰る一休(ひとやす)み、雨降らば降れ、風吹かば吹け』
  この世は、前の世よりあの世へ行く一休みにすぎない。 何が起きても気にしないで歩いて行こう。

彼は、身分や、貧富の分けへだてなく人々に仏教の教えを説きました。

彼が、ボロを着ていたのは、贅沢(ぜいたく)をしていた偽坊主たちを批判するためと、
戦乱と飢饉(ききん)のため貧困の中にあった多くの人々と暮らすためでした。

一休宗純(いっきゅうそうじゅん)【1394-1481】は、仏の教えを説いた偉大な禅僧として歴史に記録されています。
もし、20才の頃、彼が自殺していたら、彼の『とんち話』も生まれなかった。 庶民の心も救う事が出来なかった。

真剣に、生きた一休は、一時は挫折(ざせつ)もありました。 しかし、やがて道が開け、歴史に記録される事になりました。
天は、頑張っている人に味方をする。 昔も、今も、これからも。 そう、あなたにも。


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 草川信作曲
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