野ばら 投稿者:時空の旅人 - 2002/05/15 02:00 1749年8月28日、ドイツのフランクフルトで、ほとんど死んだ状態の赤ん坊が生まれました。 赤ん坊の命は、風前のともし火でした。 何もしなければ、その命の火は消えていました。 おばあさんの懸命な努力で、かろうじて助かりました。 その後、弟や妹が生まれますが、幼少のころ死んでしまいます。 もし、おばあさんが、彼を生き返らせなかったら、世界三大文豪【ぶんごう】の一人が、歴史に登場しませんでした。 おばあさんは、そんな歴史に名が残ることになる赤ん坊を助けたとは、予想できませんでした。 彼は、家庭教師のもと、文学、数学、地理、歴史、外国語などを、勉強しました。 弁護士をし、後に政治家になりました。 詩や小説も書きました。 ゲーテ【1749-1832】は、『野ばら』『わかれの歌』などの詩や、 『若きウェルテルの悩み』『ファウスト』などの小説を書きました。 もし、おばあさんが、生き返らせる事を、あきらめていたら、世界三大文豪の一人の文学遺産は生まれなかった。 今も死から救い出された第二、第三のゲーテたちは、人類遺産を作りつつあります。 あなたが助ける小さな命が、人類遺産を生み出す大きな愛を育てる。 昔も、今も、これからも。
ゲーテ詩(ごんべ007の引用) Sah ein Knab ein Roeslein stehn, Roeslein auf der Heiden, War so jung und morgen schoen, Lief er schnell, es nah zu sehn, Sah's mit vielen Freuden. Roeslein, Roeslein, Roeslein rot, Roeslein auf der Heiden. | 近藤朔風訳詞(ごんべ007の引用) 童(わらべ)は見たり、 野なかの薔薇(ばら)。 清らに咲ける、 その色愛(め)でつ、 飽(あ)かずながむ。 紅(くれない)におう、 野なかの薔薇。 |