投稿者:地球上空から調査する時空の旅人 - 2001/05/27 01:30
もし、あなたが地球上空で生活し、地球を観察するなら、船でヨーロッパからアジアへ行くには、
アフリカ大陸を大きく回らなければならないと思う。
そして、あなたは、エジプトの北東部の狭い陸地を掘って巨大な河を作れば海の近道が出来ると考えるようになる。
5000年前から、あなたと同じように、その壮大な夢を、いろんな人が考えました。
エジプトのファラオやナポレオン一世も、そうでした。
地球を削るこの超巨大土木事業は規模が大きすぎるため、国のトップが進めようとしても不可能なことでした。
しかし、1858年、一民間人レセップス【1805-1894】は、万国スエズ運河株式会社を作って、
数千年の人類悲願の地球を削る大事業に挑戦し始めました。
多くの困難がありました。 しかし、それらをのり越え、10年後1869年11月17日に、スエズ運河は開通しました。
長さ160km、幅22m、深さ8mの大運河です。
その後、レセップスはパナマ運河の計画に挑戦しようとしましたが、不正事件に関係したために、計画は失敗し、裁判にかけられました。
彼が、寂しくこの世を去った時、彼には汚名だけ残っていました。 『偉人たち』から彼の名前が消されることもありました。
しかし、時がたち宇宙から地球を見ることが、出来るようになると、その偉大な功績が再認識され、
『偉人たち』のひとりとして、名前を載せられることになりました。
名を残そうとあせって、不正に手を染め、寂しくこの世を去ったレセップスの名は、時がたち『偉人たち』のひとりに入れられました。
あなたが、宇宙から当たり前のように見るスエズ運河。 しかし、レセップスがいなかったら、今もないかもしれない。
スエズ運河は、東洋と西洋をつなぐ船の巨大な道として、人類の遺産となりました。
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