きんたろう

投稿者:ある日本青年から聞いた本当の話 - 2001/08/24 00:00

彼は、貧乏な日本青年だった。 ロサンゼルスにいた時、通信販売で本を申し込んだ。 (代金後払い)
本が配達され、彼は見たが、全部見るのに大変な時間がかかるため、返品する事にした。

返品には、手続き方法が決っていた。 しかし、彼は、面倒なので、手続きに従わず、ただ送り返した。
しばらくして、『本の代金を払わないと裁判に訴える』と言う手紙が来た。

彼は、手続きに従わなかったため、返送した本が行方不明になったか、誰かが途中で、ごまかしたと思った。
しかし、正しい手続きをしなかった彼にも責任があると思い、代金を通信販売会社に送った。

彼は、それに次のメッセージをつけた。 
『代金は支払います。 しかし、これと一緒に、私たちの正義を失った事が残念です。』

しかし、しばらくして、その代金と一緒に手紙が送られてきた。
『よくよく調べたら、あなたの返品した本が見つかりました。 どうも、すみません。』

会社の信用に関わる話のため、代金請求前に、返品されたもの全部を、よく調べているはずである。
たぶん、返品した本は、販売会社では、見つかっていないと思われる。

しかし、その会社は、代金より正義を失う事を恐れた。 正義は、その国民の誇りでもあった。

そして、その時から、彼は、その国には良心があると信じるようになった。
あなたが思う小さな愛。 しかし、それは、けっして小さくない。


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 田村虎蔵作曲

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